最近思うこと

廣岡脳神経外科 廣岡 勇之進

2019/8/30

廣岡脳神経外科の廣岡と申します。

私の父が開業したクリニックに私が戻ってきて早いもので十数年が経過いたしました。

医療機関にお見えになられる方は(健診やドックという分野を除いて)心身の不調があるためにいらっしゃる方ですので、心身ともに問題のない方と比べ当然のことながら、多かれ少なかれ不安をお持ちなっておられます。

脳神経領域では脳血管障害(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)、脳腫瘍、認知症といった病気なのではないかと心配されて来院される方が多く、今のところそういった病気ではないということがわかっただけで、症状そのものがあまり気にならなくなってしまわれる方もいらっしゃいますが、その一方で画像検査や血液検査等を行っても異常はないものの頭痛やめまい、しびれといった症状で大変な思いをされている方も数多くいらっしゃいます。

私の専門領域の関係で当院の場合、頭痛の方が多くいらっしゃいますが、頭痛の場合、鎮痛剤を月に十日以上、三カ月以上にわたり使い続けると鎮痛剤が効きづらい頭痛に陥る方がいらっしゃいます。

特に片頭痛の場合ですと日常生活に影響を及ぼしますので、痛みの回数が多い場合には、その人にあった片頭痛予防薬を鎮痛剤と併用して服用して頂く必要があります。

あのひどい頭痛で苦しむのであれば予防薬を一定期間、毎日使い続けることに何ら抵抗はないという方もいらっしゃれば、薬そのものが嫌でできれば使いたくないという方もおられます。

いわゆる治療のガイドラインというものをベースに、医者からみてこの病態であればこのような方法がよりよいのではないかという方法がある場合、それらの治療による利点欠点も御説明させて頂いた上で、治療の選択肢を提案させて頂きますが、治療を受けられる御本人が治療方法に納得されませんと、当然のことながら治療がうまくいきません。

片頭痛の治療ひとつみても治療を受けられる方それぞれの思い、考え方があります。

限られた診療時間の中で如何に治療を受けられる方の不安や考えを受け止めその方のご希望に可能な限りお答えすることができるのか?

よりよい方法を目指しこれからも試行錯誤は続きそうです。