コロナ禍の現状に際し

医療法人いしぐろクリニック 石黒 淳

2021/10/8

一年延期での開催となり賛否両論あった東京2020オリパラが終了し、新型コロナウイルス感染症の第5波のピークがようやく過ぎている状況下でこの原稿を書いています。

2019年の年末から起こった新型コロナウイルス感染症は未だに猛威を振るっています。

当初よりその対策に後手に回った政府は、働き盛りの一般のサラリーマンや学生には恩恵が得られない時期に行ったgo to travelを延々と引き伸ばし、挙句に感染ピークを経済が一番活性化される盆暮れに見事に当て、その後長期にわたる緊急事態宣言を招いています。

少ない休みを感染が気になり帰省することもできない子供たちが気の毒でなりません。

せめて「go to」を行うなら、盆暮れや長期休暇に当てるようにすれば、結果的に感染が持続するにしてもこれ程までに経済が疲弊することはなかっただろうに・・・

この状況下で今秋に行われる衆院選に国民の審判を仰ぐこともせず退陣する現政権。

そして国会も開かず今やコロナそっちのけで総裁選真っただ中。

何としてでも下野を避けたい政権党の嗅覚の良さには色んな意味で感服する限りです。

さて我々医療機関も発熱外来を行いながら、5月下旬から本格的に開始されたワクチン接種を行っています。

11月頃には希望者に2回のコロナワクチン接種が完了し安心かと思いきや、変異株の出現やブレイクスルー感染が増加しており、集団免疫の獲得は困難とされています。

またワクチン接種後約3ヶ月で抗体価は50%弱まで下がるとの報告もあり、重症化予防には有効であるものの感染予防効果はそれ程期待できないと言われています。

当方日々のワクチン接種に疲弊しつつ、今後インフルエンザのワクチン接種が始まる上、更に3回目のコロナワクチン接種も必要となることでしょう。

まだまだ長期戦を覚悟しなければなりません。

経済を回すためにワクチン接種証明を発行する自治体も現れ、徐々に人々の行動制限は緩和されると予測されますが、今後もマスクを離せない状況は続くと思われます。

やはり全国的な感染症は人口密集地域、大都市圏の感染を制して地方の感染も収束すると思います。

日本の医療を支える医師会には政治や思想に左右されることなく、今後もしっかり国民や政府に提言することが大切だと感じているところです。

私自身すっかり「家飲み」が定着していますが、元来親譲りの飲兵衛で飲み会も大好きです。

いつになったら暑気払いや忘年会ができるのか、そう期待しつつ日々の診療に向き合っている今日この頃です。