IT時代の健康情報

リウマチ膠原病センター 顧問 浦野 房三

            

Windows95が発売になってから今年は24年たとうとしている。

インターネットが24時間連続してみられるようになったのはそう昔のことではない。

最近では新聞やテレビ以上に健康情報がネットで見られるようになった。

ネットでは広告のバナーがいたるところに張り付けられており、健康記事も所狭しと並んでいる。一日に接する健康記事は意識しなくても数十以上接していることになる。特にダイエットに関する記事は驚くほど多い。

Wikipediaによると、「ダイエットは、名詞としては規定食という意味であり、動詞としては美容や健康維持のために、食事の量や種類を制限することである。」と出ている。

また、「わが国では痩せるための諸活動全般をダイエットと呼んでいることが多く、食事に関係ない痩身法までもダイエットと呼ばれていることもある」

ネットの記事をよく読んでみると、信ぴょう性が疑われる内容が多い。

yahoo検索に「ダイエット」と入れてみた。ヒット数は433,000,000件。何と4億件以上ヒットした。その上位はほとんど広告である。

それらを閲覧してみると、誇大広告が疑われる内容が目に付く。1週間で5kg痩せるとか極端な広告が見られる。

普通、1kgの減量には7000kcalを消費しなければならないというのが、基本であるが、それを明らかに無視した内容である。サプリメントの販売のための商魂のすさまじさがわかる。

最近、IoTというキーワードが注目されている。Internet of Thingsの略で、日本語では「もののインターネット」と訳すようだ。

人に関する情報がクラウドに集められ、膨大なデータの解析をAIが行い、その分析によって、モノがうごくというプロセスである。

人の表情までも読み取ることが可能となって、膨大なデータから、車の自動運転などにも応用されるようだ。

運転者の表情を読み取り、速度超過、酒酔い運転、居眠り運転などの防止にもなる。自動運転にはレベル0から5まであり、高齢者の運転には役に立つかもしれない。

インターネットからの情報量は膨大であるが、逆に人々のビッグデータが様々に応用され、人間の生活が効率よくなってゆくことも見逃せない。

小中学校では生徒一人に1台、パソコンが与えられる風景は今後数年のうちにありふれた学校風景となるだろう。

IT時代には高齢者でもそれなりのリテラシーを身に着けておきたいものだが、人類はIT技術の発展を安全にコントロールできるのだろうか?

人類は完全に原子力をコントロール出来ないところまで来ているようにもみえるが、IT技術についても手放しでは喜んではいられまい。